反トランプ的民主主義は死なないし、死なせてはならない

DEMOCRATISMを『民主至上主義』と訳したコンセプトが、知る人ぞ知る人々の間で取りざたされているようですが、DEMOCRATISMの日本語訳はひねらずにそのまま「民主主義愛好主義などとするべきではないでしょうか。

なぜなら真に民主主義を信奉する者は、民主主義が最良つまり至上の政体であり、絶対的な価値のあるものとは考えないからです。

もしそう考える者があるとすれば、その人は民主主義者どころか民主主義を騙る独裁主義者である可能性があります。独裁主義者はいつの時代も「われこそは至上の政治の体現者」と強弁して止まないからです。

民主主義は最善の政治体制ではなく、われわれが知る限りの政治体制の中のBetterな体制に過ぎません。そしてBestが見つからない限りはBetterがすなわちBestです。

民主至上主義とはひとことで言えば、アメリカの民主党政権とその支持者のことです。

民主至上主義 と訳されたDEMOCRATISMを論じた米ペパーダイン大講師のエミリー・フィンリーは、2024年11月の大統領選で敗北したアメリカ民主党を次のように批判しました。

すなわち民主党がエリート主義に陥って民意を無視し、平等、多様性、移民包容など、エリートが認める主張のみを「民意」として容認。それに合わない主張を実質的に排除した。

それは彼女に言わせれば、民主党がいわゆる民主至上主義に陥っているからだと結論付けました。

一方共和党は大衆の声を聴き、大衆が希求するアメリカ第一主義を貫いて選挙に勝った。トランプ主義はポピュリズムではなく、トランプ氏が民衆の声に耳を傾けている証だと言います。

仮にそれが正しいとしましょう。だからといって、第一次トランプ政権と次期トランプ政権がエリート支配の政権ではないとは言えません。

民主主義は国民の総意に基づくものとはいえ、政権を担う者は民主党でも共和党でも選ばれた人々、すなわちエリートであることに変わりはありません。

民主党は大衆の味方を標榜しながら実際には民衆とかけ離れた特権層や富裕層ばかりに肩入れをしてきた。だから選挙に負けたのです。民主党が民主至上主義に陥っていたからではありません。

またたとえそうだとしても、民主党はそれを反省し修正して次の選挙で共和党を打ち負かせばいいだけの話です。

ところが著者フィンリーは、民主党の在り方を民主至上主義そのものと規定して徹底否定します。エリート主義が民主至上主義の特色であるなら、共和党も同じであるにも関わらずです。

選挙で負けた民主党だけが民主至上主義に陥っていると言い張るのは、彼女が明らかに共和党支持者でありトランプ主義信奉者だからです。

共和党を支持しトランプ主義を賛美するのは彼女の自由です。だが選挙の敗北が即民主至上主義のなせる業だと決め付けるのは当たりません。

民主党は過ちを犯した。それは修正可能なものです。民主主義は断じて完璧ではありません。むしろ欠点だらけの政治体制です。

だが民主主義は失敗や過ちや未熟さを容認します。容認するばかりではなくそれらの罪を犯した者が立ち直ることを鼓舞し激励します。

変動し多様性を称揚し意見の異なる者を包括して、より良い方向を目指し呻吟することを許すのが民主主義なのです。

トランプ主義はその対極にあります。トランプ主義者が自らの間違いを認め、多様性を尊重し、移民や 反対勢力を寛大に扱うと考えるのは無理があります。

トランプ主義はトランプ次期大統領が自ら語ったように独裁を志向し、対抗勢力を許さず、自ら反省することはなさそうです。

彼はプーチン、習近平、金正恩を始めとする強権主義指導者と極めて親和的な政治心情の持ち主です。

彼はまた欧州の極右勢力や中東の独裁者やアジア南米等の権威主義的政権などとも手を結びます。

さらにトランプ主義は、政治的スタンスに加えてトランプ氏の人格そのものも不信の対象になったりするところが極めて異様です。

民主党は間違いを犯して選挙に負けました。

片や共和党あるいはトランプ主義は、不寛容と差別主義と移民排斥を主張して、2017年以来続く右翼思想あるいは極右体質をさらに強めて政権を握ります。

エミリー・フィンリーの言う、平等、多様性、寛容など「民主党エリート」が認める主張」を否定して誕生するのが次期トランプ政権です。

トランプ主義は平等、多様性、寛容に加えて、対話を重視する民主主義もジェンダー平等も政治的正義(ポリティカルコレクトネス)主義も拒絶します。

要するに、言葉を替えれば、これまで民主主義社会が善とみなして獲得し実践しさらに進歩させようとして、必死に努力してきた全ての価値観を破壊しようとします。

破壊しその対極にある不平等、差別主義、排外主義、不寛容などを正義と決めつけ旗印にして前進しようとする。

トランプ次期大統領とその支持者は、民主主義を守ると主張しますが、彼らが守り盛り立てようとしているのは権威主義です。民主主義の名の下にファシズム気質の政権を維持発展させようとしているのです。

真の民主主義、あるいは変わることを容認する柔軟な民主主義を信奉する自由主義者は、ネトウヨヘイト系排外差別主義者の集合体にも似たトランプ主義勢力の前に口を噤んではなりません。

ネトウヨや差別主義者らが跋扈するネット世界に乗り出して、間断なくカウンターアタックを仕掛けるべきです。ネトウヨが10のフェイク主張をするなら、リベラル派は20の真実とファクトで彼らの嘘を撃退するべきです。

トランプ主義&ネトウヨヘイト系排外差別者連合との戦いは今始まったばかりです。自由と平等と寛容と多様性を信奉する者は、立ち上がって戦いを続けなければなりません。

民主主義は黙っていればすぐにも壊れる儚いものです。トランプ主義者らの蛮声と暴力を放置すれば、たちまち破壊されてしまいます。ファシスト気質の政治勢力との戦いは始まったばかりなのです。

 

 

 

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枕詞で寿ぐもののけどもの2025年~プーチンがアサドを謀殺するのは時間の問題ではないか

プーチン=永遠のスパイ大統領が、アサド=ごまのハエ元大統領のロシアへの亡命を受け入れたのは、そうすることが徹頭徹尾ロシアの利益になるからです。

アサド=人面獣心元大統領は就任以降23年間、シリア国民の財産のことごとくを盗んで蓄財を続けてきたことが分かっています。

プーチン=悪魔のマブダチ大統領は、アサド=ポン引き元大統領の隠し資産を、彼のケツの毛までむしり取るやり方で徹底的に横取りするでしょう。

そうしておいて、もしもシリアの新政権が同国にあるロシアの利権を保護するなら、見返りにアサド=ならず者元大統領を彼らに引き渡すこともいとわないはずです。

アサド政権を長く支えてきたロシアは、シリア国内にタルトゥース海軍基地 とフメイミム 空軍基地を置いています。

海軍基地はロシアの地中海における最重要拠点基地。そこからアフリカ全体への影響力を行使してきましたできる。

シリアの新政権が好意的に動く、というプーチン=顔面凶器大統領の読みが当たるかどうかは微妙な情勢です。

だが、本来なら敵基地にあたるロシアの2つの施設を、シリアの新支配者・シャーム解放機構は徹底攻撃していません。

従ってプーチン=おきて破り大統領の目論見が完全に外れたとはまだ言えません。

アサド政権を駆逐したシャーム解放機構の背後にはトルコがいます。

トルコのエルドアン=仁義なき戦い大統領と、プーチン=蛙のツラにションベン大統領は、どっちもどっちのサイコパス指導者です。

プーチン=諸悪の根源大統領が、エルドアン=暴力団員大統領を介して解放機構に毒まんじゅうを食らわせ、アサド下手人を「逆回転の死刑台のメロディー」送りにするのは、赤子の手をひねるよりも楽な仕事になることでしょう。

ダマスカスを落としてシリアを征服したシャーム解放機構は、前述のように、アサド政権の保護者だったロシアの2つの基地を即座に破壊する動きに出ませんでした。

彼らはアルカイダと手を切り穏健派に転じたと主張したり、反対勢力を尊重すると公言するなどの戦略で、過激派としてのイメージを払拭しようと躍起になっています。

解放機構はまた、アサド=殺してもまだ裏切る元大統領支持の国々や、クルド人武装派を支持するアメリカなどとも会話をしたい、などとも言明しています。

従って解放機構の敵であるロシアも、彼らとのパイプを確保して、秘密裡に対話交渉を進めている可能性が高い。

アサド=嘘がてんこ盛り元大統領は、シリアから盗んだ莫大な現金と資産をロシアに運んで、モスクワの高級住宅街に逗留しているとされます。

ロシアは彼以前にも、ウクライナの元権力者やベラルーシほかの堕天使独裁者などをかくまっています。

プーチン=歩く毒キノコ大統領は、アサド=笑う深海魚元大統領が莫大な富を彼に渡す代わりに、後者が死ぬまでロシアに留まることを許すつもりなのかもしれません。

むろんそれは友情からではなく、ロシアの言う人道的見地からという噴飯ものの理由でもなく、ひたすらアサド=しゅうと根性元大統領が富を横流しするからにほかなりません。

資産を取り上げた後、アサド=傍若無人元大統領をシャーム解放機構に売り渡さずに国内に住まわせ続けれは、それはそれでやはりプーチン=ケツの穴まで猜疑心大統領の益になります。

なぜなら元独裁者のラスボスやアウトローでも、ロシアでは安全にかくまわれる、と世界中のプッツン独裁者やファシスト権力者らに秋波を送ることができるからです。

そうしておけば、ロシアの悪の友達の輪がしっかりと維持できるのみならず、拡大していくことさえも期待できます。

 

 

 

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