先日、サッカーのイスラエル人サポーターが、アムステルダムで襲われて20~30人がケガをしました。
事件は、例によって欧州各国政府の大げさとも取れるイスラエル擁護声明と、人々の強い反イスラエル感情を巻き込んでセンセーショナルに報道されました。
筆者はその様子をやや斜にかまえた天邪鬼な気分で監視してきました。
ガザではイスラエルの無差別攻撃で多くの子供と女性を含む4万5000人近くのパレスチナ人が虐殺され、約10万3000人が負傷し、1万人を超える人々が行方不明になっています。
それに比べれば、贔屓チームを応援するためにアムステルダムまで飛んだイスラエル人が、襲われてケガをしたことに何ほどの意味などあるものか、とさえ思ったことを告白しなければなりません。
そして残念ながら、筆者の周りのほとんどと世界中の多くの人が、筆者と同じ感慨を持っています。それは全てのユダヤ人にとって極めて憂慮するべき兆候です。
イスラエルチームのサポーター、換言すれはユダヤ人を襲ったのは、反ユダヤ主義に触発された若者らである可能性が高い。
従ってその者らの暴力を黙過するとは、ヒトラーが、つまり人類がしでかした巨大犯罪、ホロコーストを容認することにもつながりかねない危険な態度です。
ホロコーストは、日常のさりげないユダヤ人差別が積み重なって肥大し、ついには制御不能になって発生しました。
そしてサポーターがユダヤ人であることを理由に、男らが彼らを襲った暴力行為は、日常よりもはるかに深刻な差別であり暴虐です。
筆者はユダヤ人の最大の悲劇、ホロコーストをよく知っています。惨劇は2度と起きてはなりません。
筆者は反ユダヤ主義に強く反対します。
同時に筆者は、イスラエルが続けているジェノサイドまがいのガザでの残忍な攻撃にも反対します。
それは、神掛けてホロコーストを忘れたことを意味しません。
また決して、2023年10月7日のハマスの残虐行為を忘れるわけでもありません。
筆者の身内に湧く、ガザで進行する悪逆非道への怒りを最早抑えきれなくなっただけです。
筆者は主張します。
イスラエルよ、すべてのユダヤ人よ、そして誰よりもネタニヤフよ、ホロコーストは断じてパレスチナの子供や女性たちを殺戮する免罪符にはならない。
だから即刻残虐行為をやめるべきだ。
それでなければ、オランダ・アムステルダムで起きたユダヤ人襲撃事件の底にある反ユダヤ主義感情が、世界中で拡大し肥大化して制御不能になる可能性が高まる。
Enough is enough = ガザへの無差別攻撃はもうたくさんだ、と世界中の心ある人々が叫んでいることを知れ。
と。
official site:なかそね則のイタリア通信