祭りのあとのブルーが見える

欧州は新型コロナウイルス感染拡大の第2波が襲来、ともいわれる状況下にあります。スペイン、フランス、ドイツなどの大国や東欧圏の国々です。

イタリアは長く過酷なロックダウンの効果で今のところは静かです。ところがそのイタリアで行われた新型コロナウイルスの大規模な抗体検査で、およそ3割の感染者が無症状だったことが明らかになりました。無自覚のうちに感染を広げる懸念が高まっています。

抗体検査は約6万5千人を対象に行われました。その結果、150万人近くが抗体を持っていると推定されます。イタリア国民の2,5%程度にあたる数値です。

イタリアで感染が確認されているのは累計でおよそ25万人。従って実際にはその6倍もの感染者がいることになります。しかも3割の50万人は無症状で、知らずに感染を広げているかもしれない。

それが事実であるならば、第2波の襲来では?と恐れられる欧州や、第1波がまだ続いている南北アメリカ、また感染拡大が止まらない世界中で、見た目よりもはるかに厳しいコロナ災禍 が進行していることになります。

検査態勢の不備や医療事情の貧困等々に加えて、無症状の感染者が多い現実などもあり世界の感染者は実際よりもはるかに多いのではないか、と常に考えられてきました。死者の数も「実際には公表数の3倍」といわれるイランなどを筆頭に、発表されている数字よりは大きいと見られています。

従ってイタリアの状況を知っても実は筆者はあまり驚きませんでした。イタリアでも感染者や死者の数は正式な数字より多いはずだとしきりに言われてきました。南北アメリカはもちろんインドなどもそうですし、イタリア以外のヨーロッパ諸国も似たり寄ったりです。

隠蔽や嘘やごまかしが多くて真実が見えずらいとされる中国に至ってはもっとさらにそうです。世界のコロナ惨害は今でも見た目より酷いに違いない。第2波や第3波が襲ってくれば凶変はさらに深刻になるでしょう。

隠れ感染者の存在に加えて、バカンスの人の動きと無鉄砲な若者らの行動パターンもイタリアでは憂慮されています。それを体現するようにクロアチアとギリシャで休暇を過ごした若者らが、帰国後に検査で陽性とされるケースが増えました。

イタリア自体は、3月から4月の世界最悪のコロナ兇変を体験して非常に用心深くなり、感染防止対策にも余念がありません。また社会経済活動の再開もスペインやフランスに比較するとゆっくり目です。それらが今現在のイタリアの感染状況を落ち着かせています。

だが、そうはいうものの、イタリア人がバカンスに出かける先の国々の規制や感染防止策はまちまちです。イタリアよりは規制がゆるい国が多い。8月の終わりになればそれらの国々で休暇を過ごした人々が一斉に帰国します。

クロアチアとギリシャから帰った若者らに感染が広がっている事実は、9月以降の感染爆発の予兆である可能性も大いにあります。当たり前の話ですが、コロナ大厄は全く終わってなどいないのです。

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official siteなかそね則のイタリア通信

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