イングランドサッカーが面白くない理由がまた見つかった

イングランドサッカーのゲーム運びの特徴は敢えて言えば、直線的な動き、長い高い空中パス、スポーツ一辺倒で遊び心がゼロのゲーム展開、予測しやすいアクションつまり創造性に欠ける陳腐なテクニック、そしてまさにそれ故に硬直し竦んでしまう悲しいプシュケー、といったところです。

そんなイングランドは2024欧州選手権のオランダとの準決勝戦で、相手陣内のペナルティエリア外で、ひんぱんに横に展開する戦法も見せました。

両ウイングにはパスが通りやすい。なぜならそこはゴールエリアから遠いため、相手守備陣はしゃかりきになって防御の壁を固めていない。

イングランドはそこからセンタリング、つまり相手守備陣の頭越しにボールをセンター(ゴール前)に送り飛ばして、主にヘディングでゴールを狙う試合運びです。

パスの通りにくいゴール前のエリアを避けるのは、横からの攻撃を仕掛けるためですが、それは裏返せば、相手が厳重に防御を固めている中央部を突破する勇気や技術がないことの証でもあります。

サッカーはゲームの9割以上が足で成されるスポーツです。ヘディングはその補佐のためにあります。ヘディングシュートも然り。

だがヘディングシュートは、キックに比べて威力が脆弱でスピードも遅くかつ不正確。重要な武器ですが、できれば足を使っての中央突破攻撃が望ましいのです。

また、イングランドはサイドから逆サイドへのパスもひんぱんに行いました。それはゲームの流れを変える戦術のように見られることも多い。が、実はつまらないアクションです。

長いボールで安易にパスをつなぐ外道術であるばかりではなく、そこからゴール方向に向けて新たに布陣を立て直さなければならないムダな2重仕事で、非創造的な動きです。

イングランドは2大会連続で決勝に進出しました。史上初の快挙ですが、優勝できるかどうかはむろん分かりません。筆者は8-2の割り合いでスペインの勝ちを予想します。

もしもイングランドが優勝するなら、それは彼らがついに欧州と南米の強豪国の創造性を学んだ結果、と考えたいが、現実は違います。

それは単なる「まぐれ」に過ぎないとあらかじめ言っておきたい。ここまでのイングランドの戦いぶりから導き出した筆者の結論です。

イングランドは依然として、サッカーが「遊びと化かし合いがふんだんに詰めこまれたゲーム」であり、ただ「ひたすらのスポーツ」ではない、ということを理解していないと思います。

イングランドは十中八九スペインに負けるでしょうが、運よく勝ちを収めた場合は、そこから再び60年も70年も、もしかするともっと長く勝てない時間がやってくるでしょう。

むろん彼らが退屈な❝イングランドメンタリティー❞と戦術を捨てて、遊戯の心に徹した「ラテンスタイル」のサッカーに変貌できる日が来ればその限りではありませんが。

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official siteなかそね則のイタリア通信

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