米大統領選はトランプ返り咲きとなりました。
ハリス大統領の誕生を期待しましたが、仕方がありません。
欧州、正確に言えばEU(欧州連合)の権力中枢も筆者と同じ気分だろうと思います。
しかし頭脳明晰で冷徹なEUの権力機構は、トランプ再選を想定しての戦略をしっかりと描いています。
心配は日本です。
先日の総選挙を経て生じた政治不安の中、人物も政策もブレがちな石破首相に、アメリカファースト主義のトランプ政権と対峙できるスキームはあるのでしょうか。
もしも高市政権が誕生していれば、安倍政権の続きでトランプの犬に徹する仕方を踏襲し、その意味では「安心」だったかもしれません。
石破政権も、高市政権ほどではなくとも、“日本はアメリカの属国”策を死守して、何とか生かせてもらうしかないように見えます。
与党が過半数割れして混沌とした状況の現在、日本には誰が首相になろうと“トランプほぼファシズム政権”に対応して独自にアイデアを繰り出す甲斐性はなさそうです。
既述のようにEUが核を成す欧州は、トランプ政権との付き合い方を2017~2021の間に学習し、今回の選挙では彼の勝利の可能性を見越して徹底シミュレーションして備えています。
日本は軍備はしっかりと整えながら、その増強のみを考えるのではなく、またアメリカ一辺倒のポチ街道を邁進するのでもなく、近隣の厄介国すなわち中露北朝鮮とも対話し欧州と協調して、グローバルサウスとも真剣に付き合い、必要なら即座に援助の手を差し伸べる“当たり前”の先進国を目指すべきです。
災いを転じて福となす覚悟で、厄介なトランプ政権を逆手に取り日本の国益になるよう賢明にまた懸命に動くのです。
と本心を書いても、真の民主主義が根付いていない日本の民度を思うと、脱力感に襲われるのが寂しい限りです。
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