ハマスの攻撃もそれへの報復も同じ穴のムジナの蛮行である

10月7日、ハマスがイスラエルを攻撃。残虐行為を働きました。被害者のイスラエルはすぐに応酬。ハマスに劣らない凶悪さでガザ地区住民を虐殺し続けています。

ところがイスラエルへの非難は、ハマスへのそれに比べると弱い。

ハマスが先に手を出したことと、戦闘員が子供の首を切り落とすなどの残忍非道な行いをしたことが、世界世論の憎しみを誘ったからです。

同時に、繰り返しになりますが、報復したイスラエル側の攻撃も酷いものになりました。それにしては彼らに対する視線は寛容すぎるほど寛容です。

欧米は反ハマス一辺倒です。それはイスラエル支持につながり、イスラエルのガザへの反撃は自衛のためのものだから正当、という議論を呼びます。

その延長で、ここイタリアでは反イスラエルまたパレスチナ擁護の立場の者への、魔女狩り的な動きさえ出ています。

イタリアのユダヤ人喜劇俳優 モニ・オヴァディアは、イスラエルの無差別攻撃を断罪して劇場から締め出されました。

アラブ世界の抑圧的な政治を批判して英雄扱いされたエジプト人青年、パトリック・ザキは、ハマスの攻撃にはそれなりの理由があると発言しただけで、イタリアの名誉市民権を剥奪されようとしています。

またドイツでは、イスラエルに批判的なパレスチナ人女性作家アダニア・シブリが激しい論難にさらされています。

一方的にイスラエルだけを擁護する言説は危険です。

ハマスのイスラエルへの残虐な無差別攻撃は、むろん許しがたいものです。

だがそこに至るまでには、イスラエルによるパレスチナ人民への抑圧、侵略、虐殺行為などが頻発してきたのもまた事実です。

パレスチナ人とユダヤ人は、2000年の長きに渡ってほぼ無縁の時間を過ごした後、イスラエル建国に続いたユダヤ人の一方的なパレスチナ占領によって、抑圧と抵抗が雪だるま式に膨れ上がり、連鎖していく悲劇に陥りました。

血で血を洗う闘争は、ハマスに始まるアラブ強硬派とイスラエル右派またユダヤ原理主義勢力が消滅しない限り終わることはありません。

和平への道は常に彼らが閉ざしてきました。今回の武力衝突もパレスチナの過激派とイスラエルの極右勢力が引き起こしたものです。そして2者は永遠に妥協もしなければ消滅もしないように見えます。

武力衝突を止めさせる力を持つ欧米列強は、イスラエル支持でほぼ一枚岩になっていて、アラブまたパレスチナの敵意を喚起し続け、やはりどうしても虐殺の連鎖を断ち切ることはできません。

それはつまり、病院爆破に象徴されるイスラエルとパレスチナの無残な殺し合いは果てしなく続き、民間人の犠牲は今後も増え続けていくということうを意味しています。

 

 

 

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