いつまでも舞い上がらない朝ドラの「舞いあがれ」は、舞い上がらないままに面白くないこともありませんが、ドラマとしての連続性がないのがもどかしい。
だが主人公・舞の親友の久留美が、なぜか長崎の総合医療病院でフライトナースになるらしい展開は、主人公の舞がいよいよ「舞上がる」ための伏線、と読めないこともありません。
つまり舞は、久留美を追いかけて長崎の島々を結ぶ医療関連の飛行機のパイロットになる、という話の流れではないでしょうか。
あるいは五島などの離島に飛んでいる航空会社の飛行機を舞が作って、且つ彼女がそのパイロットになる、という筋書きかもしれません。
そうなれば舞がパイロットとして舞い上がる、というドラマの暗黙の約束が果たされることになります。
だが筆者はそんな経過になっても不満です。なぜなら舞には多くの旅客を運ぶ飛行機のパイロットになってほしいからです。
ドラマは初っ端、夢の中で旅客機の機長となった舞が機内アナウンスをするところから始まりました。
続いて男尊女卑のパイロット界で女性飛行士の舞が奮闘するストーリーが強く示唆され続けました。
それなのに、主人公が町工場の改革者になったり、小型飛行機のパイロットに納まったりするのはちょっと物足りません。
脚本や演出にとっては、舞がジェンダーギャップを乗り越えて男社会で活躍していくストーリーは荷が重すぎたのでしょうか?
ドラマはまだ終わっていないので詰めの展開は分かりません。
筆者はストーリーが最後には舞い上がるのかどうか、という興味もあって朝ドラを見続けています。
official site:なかそね則のイタリア通信