2021年6月末、ヨーロッパはサッカーの欧州選手権で盛り上がっています。欧州杯はW杯と同じく4年に1度開かれるサッカーの祭典。
2020年の第16回大会がコロナパンデミックで1年延期されました。
ブラジルやアルゼンチンなどの南米強豪チームが参加しないのは物足りませんが、レベルの低いアジア、アフリカ、オセアニア、北米などが出場しない分、緊迫した試合が続いてむしろワールドカップよりも面白いと評価する人も多くいます。
ヨーロッパにはイタリア、ドイツを筆頭にフランス、スペイン、イギリス、オランダ、ポルトガルなど、強豪がひしめいています。
筆者はいまイタリア、ドイツを筆頭に云々、と言いました。これはワールドカップを意識しての表現です。
いまこの時のヨーロッパのサッカーは、強い順にスペイン、ドイツ、フランス、イタリア、ポルトガル、オランダ、イギリスという感じでしょうか。
そのこととは別に、ワールドカップの優勝回数となりますと、イタリアとドイツがそれぞれ4回。フランスが2回。スペインとイギリスがそれぞれ1回です。
優勝4回はまずイタリアが達成しドイツが続きました。またスペインの優勝は2010年、イギリスの優勝は1966年。少し昔のことですのでスペインの優勝が印象に残ります。
さらに言えばイギリスは、強豪ながら近年はやや影が薄い。片やスペインは、ポゼッションサッカーと呼ばれる独特のテクニックまた戦術を完成せて、世界サッカーを席巻してきました。
そのことに敬意を示す意味でも、イギリスよりは先に銘記されるべきと思いました。
欧州ではここで触れている7ヵ国はもちろん、どの国に行ってもサッカーが国技と呼べるほどに人気があります。
その中でもサッカーに身も心も没頭している国は、イタリアとドイツとイギリスだとよく言われます。
イギリスはサッカー発祥の地だから当然としても、血気盛んなラテン系のイタリアと、冷静沈着な北欧系のドイツがサッカーにのめりこんでいるのが興味深いところです。
両国がワールドカップの優勝回数がブラジルに次いで多いなど、ヨーロッパの中でも抜きん出ているのも、国民がサッカーをこよなく愛しているからなのでしょう。
個人技に優れているといわれるイタリアはそれを生かしながら組織立てて戦術を立て、組織力に優れているといわれるドイツはそれを機軸にして個人技を生かす戦術を立てる。
独創性を重視する国民が多いイタリアと秩序や規律を重視する国民が多いドイツ。
サッカーの戦い方にはそれぞれの国民性がよく出ます。試合を観戦する醍醐味もまさにそこにあります。
さて、
現在進行形の2020欧州選手権は、一次リーグにつづいて「負けたら終わり」の勝ち抜き戦が6月26日から始まります。
ここまでの状況を見ますと、イタリアの強さとドイツ、スペインの弱さが目立ちます。またオランダとベルギーの好調と前回優勝のポルトガルの弱さも目につきます。
一次リーグでの強い国がまぐれで、弱いチームが一時的にそうである可能性ももちろんあります。
だが、一世を風靡したスペインのポゼッションサッカーの衰退と、2006年を境に絶不調の底で呻吟してきた、イタリアサッカーの復活が鮮明になってきたようにも見えます。
そこにドイツ、ポルトガルの意地とフランスの強い潜在能力がからみ、優勝経験もある強いオランダと前回のW杯で準決勝まで駒を進めたベルギーが加わって、スリリングな展開が期待できそうです。
筆者はスター選手が不在なのに目下のところは強いイタリアを応援しています。
同時に見る者をわくわくさせる天才プレーヤーのいるチームにも期待しています。
つまり、ロナウドのポルトガル、エムバベのフランス、、ルカクのベルギーなどです。
サッカーは1人ではできません。
一方で1人の天才プレーヤーはゲームを華やかにします。
筆者は強くて楽しい、そしてなによりも華やかなサッカーが好きです。
だって、たかがサッカー、されどサッカーなのですから。
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