高市早苗‘首相’の影と、影の中にあるかもしれない光

FB友のお1人から「高市早苗」候補には絶対に首相になってほしくない、という強い怒りのメッセージが届きました。似たような趣旨のコメントはほかにも多い。

高市早苗候補だけは決して日本のトップにしてはならない、とつい最近まで筆者も考えそこかしこに書いてもきました。

今もそうですが、それでも総裁候補の顔ぶれを見ているうちに、毒を持って毒を制す、のような気分になっています。高市という猛毒をもって日本の男社会という毒に楔を打ち込む、という印象です。

ちなみに筆者は上川さんに期待し、老害政界に風穴を穿て、と密かに進次郎候補を応援していました。

だが残念ながら上川さんの覇気のない常識路線と、進次郎候補の明るいウツケ振りに呆れて、それらは過去形になりました。

代わりに猛毒の高市候補が日本初の女性首相になる手もあると考え出しました。

❛高市首相❜もありかもと考える第1の、そして最大の理由は高市候補がオヤジよりもオヤジ的な政治家でありながら、それでも女性だという点です。

首相になれば日本の諸悪の根源である男尊女卑メンタリティーにとりあえず一撃を見舞うことになります。それは、無いよりはあったほうが確実に日本のためになるイベントです。

心優しい良い女性、すばらしい女性を待っていては日本には永久に女性首相は生まれません。女性首相の大きな条件の一つは「タフな女」であることです。

サッチャーもメルケルもここイタリアのメローニ首相も男などにビビらないタフさがあります。高市候補は権力者のオヤジらに媚びつつも、鉄面皮で傲岸なところがタフそのものに見えます。

2つ目は、アメリカでカマラ・ハリス大統領が誕生すると想定しての強い興味です。

トランプ氏再選なら、❛高市首相❜は彼女の神様である安倍元首相に倣って、ここイタリアで言うケツナメ(lecca culo)外交に徹するだけでしょうが、ハリス大統領になった場合は遠慮し諭される状況もあり得ます。

それは❛高市首相❜を変える可能性があります。むろん、それにはハリス大統領のリベラルとしての、有色人種としての、そして女性としての強さと見識と人間性の有無が重要になります。

今のところハリス候補にはその兆候はありません。だが、彼女も大統領になって品格を備えるようになる可能性が高い。

肩書きや地位はただでも人を創りやすい。ましてや世界最強の権力者である米国大統領という地位が、人格に影響を及ぼさないと考えるなら、むしろそちらのほうが不自然です。

3つ目は天皇との関係です。人格者の上皇、つまり平成の天皇は静かに、だが断固として安倍路線を否定しました。現天皇は今のところ海のものとも山のものともつきません。顔がまだ全く見えないのです。

❛高市首相❜が本性をあらわにファシスト街道を突っ走るとき、天皇がどう出るか、筆者はとても興味があります。

天皇は政治に口出しをしないなどと考えてはなりません。口は出さなくとも「天皇制」がある限り彼は大いなる政治的存在です。それを踏まえて天皇は「態度」で政治を行います。

彼に徳が備わっていれば、という条件付きではありますが。

日本の政治と社会と国民性は、先の大戦を徹底総括しなかった、或いはできなかったことでがんじがらめに規定されています。

右翼の街宣車が公道で蛮声を挙げまくっても罪にならず、過去を無かったことにしようとする歴史修正主義者が雲霞のように次々に湧き出てくるのも、原因は全てそこにあります。

ドイツが徹底しイタリアが明確に意識している過去の「罪人」を葬り去るには、再び戦争に負けるか、民衆による革命(支配層が主体だった明治維新ではなく)が起きなければなりません。

しかし、そういう悲惨は決して招いてはならない。

極右で狡猾で危険な高市候補が首相になっても、おそらく戦争だけはしないでしょう。だからチャンスがあれば、彼女にチャンスを与えても良いのではないか、とつらつら考えてみるのです。

ちなみに今このとき筆者が女性首相にしてみたいのは蓮舫氏。彼女が嫌いな日本人は、高市候補が嫌いな日本人とほぼ同数程度に存在していそうですが、筆者は蓮舫氏をリベラルと見做して推します。

男では山本太郎氏です。山本氏なら戦争総括に近いこともやりそうな雰囲気があります。自民党のオヤジ政治家群は、ほとんどが過去の総括の意味さえ知らないように見えます。

それは国際社会では、中露北朝鮮を筆頭とする専制主義勢力と同じフェイク、民主主義の向こう側でしか生きられないカスな存在、と見做されることを意味します。

 

 

 

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