どうやらパンデミックの先が見えてきたようだ

2022年2月11日、イタリアは屋外でのマスク着用義務を撤廃しました。

それを皮切りにイタリアはコロナ関連の厳しい規制を徐々に解き始めます。

クラブをはじめとする夜の歓楽施設も営業を開始。サッカースタジアムも規制緩和を拡大して、ことし末までには収容人員を100%にします。

そしてなによりも、3月31日で期限が切れる国家緊急事態宣言をもはや延長しない、としました。

北欧では規制の全撤廃に動く国が相次いでいます。だが、イタリアは規制解除や緩和には慎重です。

本来なら北欧の国々が細心で、ラテン気性のイタリアがさっさと規制撤廃に動きそうなものです。

普段はノーテンキなイタリアが思慮深いのは、パンデミックの初期に、世界に先んじて医療崩壊に始まるコロナ地獄を味わった苦い経験を忘れていないからです。

イタリアはパンデミックに於いては常に規制を迅速にしかも厳しくし、逆に規制の解除には用心深く、且つ緩和のスピードをゆるやかに保ってきました。

そのイタリアが、コロナパンデミックをインフルエンザなどと同じく流行が一定期間で繰り返される「エンデミック」として扱い始めました。

それは喜ばしい兆候です。なぜならイタリアは北欧などの動きを見つめつつ、慎重の上にも慎重を期して、ようやくパンデミックの収束を視野に入れ始めたことを意味するからです。

規制解除の動きに関しては、我がままで気ままな国民が多いイタリアが、生真面目な国民性が特徴の北欧各国よりも自重的である方がより信頼できると思います。

イタリアはブースター接種も進み、感染者数は欧州各国並みに多いものの、重症化率も低い。

コロナに関する限り臆病過ぎるほど臆病なイタリアが、北欧の国々を追いかける形で「コロナはもはや社会の脅威ではない」と見なし始めたのは、真実そう見なしてもよいということです。

ひたすら感染者数を重視して規制を続ける日本から見ていると、あるいは分かりづらいかもしれませんが、それがコロナパンデミックの真の顔です。安心してもいいと思います。

パンデミックが終息した場合の最も喜ばしいプレゼントは、社会の分断が終わるかもしれない点です。

ワクチンを拒否する人々の大多数は、接種に慎重な人々と健康上の理由で接種できない人々です。

また頑なにワクチンを否定するいわゆる過激派NoVaxの人々も、彼らなりの思惑で自らの健康を気遣っている側面もあります。

それは間違った情報に基づいている場合が多い。だが、われわれは誰もが間違いを犯します。

コロナパンデミックが収まった暁には、間違いを犯すことが本性のわれわれ全員は、必ず間違いを許し合い抱擁し合うことができるでしょう。

そうなるように努力するべき、と考えます。

 

 

 

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