欧州はことしは6月から熱波に見舞われました。
フランスでは6月18日に同時期としては過去最高の42,9度を記録。スペインでも記録的な猛暑が続きました。
フランス、スペイン、ポルトガルではその後も熱波が猛威を振るい山火事が相次ぎましだ。
それは昨年のイタリア南部の状況によく似ていました。
イタリアでは昨年、熱波で気温が上がりシチリア島ではヨーロッパで過去最高となる48、8℃が観測されました。
それに合わせて山火事も頻発しました。
ことしのイタリアは北部で干ばつが起きた。
冬の間もその後もほとんど雨が降らず川や湖が干上がって農業用水が確保できなくなりました。
大河ポーでさえそこかしこが枯渇し、そこを灌漑のよすがにする広大な農業地帯の作物が枯れ果てました。
イタリア以外の欧州の国々の多くも同じような被害を被っています。
そんな中、さらなる驚きがやってきました。
北国のイギリスで7月、気温がついに40℃を超えたのです。
それは昨年イタリア南部で、気温が48、8℃という欧州記録を観測した時と同じくらいの大きなニュースになりました。
北イタリアの干ばつは、8月の雨で一部解消されました。だがそれは各地で集中豪雨となり、それ自体が被害をもたらす結果となりました。まさに異常気象です。
世界の気温は産業革命を機に約1、1度上昇してきました。
増加幅は年々大きくなって、1970年から現在までの気温は過去2000年間でも例のない異様な速度で上がっているとされます。
COP(気候変動枠組条約締約国会議) では、今後の世界の気温上昇を、1、5度までに抑える目標が立てられました。だが、各国の欲と思惑と術数が複雑にからんで達成は難しそうです。
パリ協定を離脱した政治的放火魔トランプ前大統領や独裁者のプーチン大統領、ラスボス習近平主席、また彼らに追随する世界中の多くの唯我独尊フィクサーらが幅を利かせる限り、地球はますます熱を帯びて耐えがたくなっていくのではないでしょうか。
異常気象が続けばそれが当たり前になってもはや異常とは呼べません。
年々時節が乱れ気象が迷走するの見て、筆者は大分前から異常が通常になった、と考えそう主張してきました。
おかしな気候ばかりを目の当たりにすると、異常気象という言葉はもはや正しくないようにさえ感じるます。
われわれはもしかすると異常が通常になって、通常が異常になる過程を生きているのかもしれない、といぶかったりもします。
だがさらによく考えてみると、気象の異常とは支離滅裂ということですから、やはりそれを尋常とは規定できないでしょう。
異常気象はどこまで行っても異常気象なのです。
ただわれわれ人間も動物も植物も、要するに自然の全てが、きっと異常気象に順応していきます。
むろんある程度の犠牲や、混乱や、痛みはあるでしょう。
でも異常気象に慣れてなんとか生き延びるのです。
歴史はいつもそうやって作られてきました。人も自然も世界も、しぶとい。幸いなことに・・
・・という見方が正しかった、と将来われわれが確認できるようなら万々歳です。
しかし、そうはならない最悪の事態がやって来る可能性も高い。
だからやっぱり今の異常を正常に戻す努力を懸命にしたほうがいいと考えます。
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