コロナ自粛中はドラマ三昧で逆風満帆

テレビ屋の筆者は番組を作るだけではなく、元々「番組を見る」のが大好きな人間です。

自分の専門であるドキュメンタリーや報道番組はいうまでもなく、ドラマやバラエティーも好みです。

ドキュメンタリーや報道番組は、イタリア語のみならず衛星放送で英語と日本語の作品もよく見ます。

しかし、ドラマは最近は日本語のそれしか見ていません。

理由は日本のそれが面白く、日伊英の3語での報道番組やドキュメンタリーに費やす時間を除けば、日本のドラマを見る時間ぐらいしか残っていない、ということもあります。

スポーツ番組、特にサッカー中継にも興味があるのでいよいよ時間がありません。バラエティー番組に至っては、ここ数年は全く目にしていません。

ドラマは以前からよく見ていますが、コロナ禍で外出がままならなくなった2020年の初め以降は、ますますよく見るようになりました。

ロンドンを拠点にする日本語の衛星ペイテレビがNHK系列なので、NHKのドラマが圧倒的に多いのですが、民放のそれも少しは流れます。

民放のドラマにもむろん面白いものがあります。が、筆者は昔からNHKの質の高いドラマが好きですから、ペイテレビの現況は好ましい。

コロナ禍中に多くの面白いドラマを見ました。またコロナが猛威を振るう直前まで流れたドラマにも非常に面白いものがありました。

思いつくままにここに記すと:

『ジコチョー』  『盤上の向日葵』 『サギデカ』 『ミストレス~女たちの秘密~』 

などがコロナ禍の直前の作品。

コロナパンデミック真っ盛りの2020年には:

『すぐ死ぬんだから』 『一億円のさようなら』 『ディア・ペイシェント~絆のカルテ~』 『路(ルウ)~台湾エクスプレス〜』 『70才、初めて産みましたセブンティウイザン』 『岸辺露伴は動かない』『いいね!光源氏くん 』など。

また翌2021年になると:

『半径5メートル』 『ノースライト』 『ここは今から倫理です。』 『岸辺露伴は動かないⅡ』などが記憶に残りました。

これらのほとんどは面白いドラマでしたが、あえて3本を選べと言われたら、三田佳子が主演した『すぐ死ぬんだから』 『ミストレス~女たちの秘密~』 『岸辺露伴は動かない』を挙げます。

『すぐ死ぬんだから』は死後離婚という面白いテーマもさることながら、三田佳子の演技がとてもすばらしかった。

共演した小松政夫が亡くなってしまったことも合わせて印象に残ります。

『ミストレス~女たちの秘密~』は、英国BBCの古いドラマの日本語リメイク版。BBCはNHK同様ドラマ制作にも優れています。この日本版も非常によくできていました。

『岸辺露伴は動かない』の3シリーズも目覚しい番組でした。ただ次に出た3本はがくんと質が落ちました。最初の3本の出来が良すぎたために印象が薄れたのかもしれません。

ところで『岸辺露伴は動かない』のうちの‘’富豪村‘’のエピソードでは、マナーがテーマになっていて、ドラマの中で「マナー違反を指摘する事こそ、最大のマナー違反だ」と言うセリフがあります。

それを見て少し驚きました。それというのも実は筆者は、2008年に全く同じことを新聞のコラムに書きました

ある有名人が、そばをすする音がいや、という理由で婚約を解消した実話に関連して「スパゲティのすすり方」という題でマナーについて書いたのです。

そのコラムの内容は2020年9月、ここでも再び書きました。ドラマの中で指摘された内容も言葉も酷似しているので、念のために言及しておくことにしました。

つまり筆者のコラムは筆者のオリジナルであって、ドラマとは全く関係がない。偶然に同じ内容になったのでしょうが、最初にその説を唱えたのは筆者です。

‘’富豪村‘’は2010年の作で筆者のコラムは前述のように2008年。筆者はコピーすることはできません。

まさかとは思いますが、何かの拍子に筆者がドラマの台詞をパクったかのようなツッコミなどがあったら困るので、一応触れておくことにしました。

閑話休題

2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』も良かった。

筆者は大河ドラマは出だしの数週間で見るのを止めることが多いのですが、『麒麟がくる』はコロナ巣ごもり需要とは関係なく最後まで面白く見ました。

一方、山本周五郎「人情裏長屋」 が原作の 『子連れ信兵衛 』は駄作でした。それでも時々見てしまったのは、原作を良く知っているからです。

都合のいい設定や偶然が多く、とてもNHKのドラマとは思えないほどの出来の悪さでした。原作に劣る作品としては『ノースライト』も同じ。

昨年放送のドラマでは『カンパニー〜逆転のスワン〜』も愉快でした。また『ここは今から倫理です。』 にはいろいろと考えさせられました。

ほかには 『正義の天秤』『山女日記3 』『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』などが印象に残りました。『正義の天秤』には致命的とさえ言える安直なシーンもありましたが、全体的に悪くない印象でした。

2022年1月現在、進行しているドラマでもっとも興味深いのは「恋せぬふたり」。他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない「アロマンティック・アセクシュアル」の男女を描いています。

2人の在り方は不思議ですが違和感なく受け入れられます。受け入れられないのは、2人の周りの「普通の」人々の反応です。

性的マイノリティーの人々の新鮮な生き様と、それを理解できない人々の、ある意味で「ありふれた」ドタバタがとても面白いと感じます

 

 

 

 

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