欧州選手権の準決勝でイングランドがデンマークを破って決勝に進出しました。
イングランドはもうひとつの準決勝戦でスペインを倒したイタリアと決勝戦を戦います。
今回大会のイングランドは強い。
なんといってもドイツを負かしたことがその証です。
ドイツは絶不調とはいえ、腐っても鯛。終始一貫、首尾一貫、 筋金入り エバーグリーンのサッカー強国です。
そしてイタリアは、筆者の独断と偏見ではドイツをも凌ぐサッカー大国。
イングランドが決勝でイタリアも粉砕すれば、彼らの強さは本物中の本物と証明されるでしょう。
イングランドは1966年のワールドカップの決勝でドイツを倒して以来、主要な国際大会ではドイツに勝てずにきました。
ドイツはイングランドにとっては、55年も目の上にこびり付いた大きなタンコブでした。
そのドイツを2-0で撃破しました。
そして勢いを保ったまま、決勝リーグ2回戦ではウクライナから4ゴールも奪って快勝。
次の準決勝では延長戦の末にデンマークも下しました。
だが、イタリアはイングランドに比較するともっと強く、ずっと強く、あたかも強く、ひたすら強い。
何が根拠かですって?
サッカー「やや強国」のイングランドは、ワールドカップを5世紀も前、もとへ、55年前に一度制しています。準優勝は無し。
つまり自国開催だった1966年のたった一度だけ決勝まで進みました。
片やイタリアはW杯で4回も優勝しています。準優勝は2度。つまり決勝戦まで戦ったのは合計6回。
欧州選手権では、イタリアは1回の優勝と2回の準優勝、計3回の決勝進出の歴史があります。
今回が4度目の決勝進出。
実に強いのです。
一方、イングランドは欧州選手権では、 1度も優勝していません。準優勝もありません。
つまり、決勝進出は0回。
3位決定戦に進んだことは1度あります。
でも、3位とか4位とかってビリと何が違うのでしょうか?
あと筆者の感情的な見方もあります。そこでもなぜかイタリアが強いのです。
イングランドのサッカーは、直線的で力が強くて速くてさわやかでスポーツマンシップにあふれています。
イタリアのサッカーは、曲がりくねってずるくて意表をついて知恵者の遊戯の如く創造性にあふれています。
筆者はイングランド的なメンタリティーも嫌いではありません。
だが、ことサッカーに関しては、アマチュアのフェアプレイ至上主義、あるいは体育会系のド根性精神みたいなものの影を感じて引いてしまいます。
退屈と感じます。
そして、サッカーの辞書には退屈という文字はありません。
従って退屈なサッカーは究極には必ず負ける。
イングランドが、退屈ではないサッカーを実行するイタリア、フランス、スペイン、ポルトガルなどに比較して弱いのはそこが原因です。
発想が奔放、という意味では上記4国に近いブラジルやアルゼンチンに負けるのも同じ理由です。ドイツに負けるのは、創造性故ではなくただの力負けだけれど。
そんなわけで、7月11日の決勝戦ではどうやらまたイタリアが勝つみたい。
でも、イングランドも欧州選手権史上初の決勝進出を果たしたのですから侮れません。
もしもイングランドが勝てば、それは「退屈」なサッカーが勝ったのではなく、イングランドが退屈なサッカーワールドから抜け出して、楽しく創造的な現代サッカーのワンダーランドに足を踏み入れたことを意味します。
それを未開から文明への跳躍、と形容してもかまいません。
なので2020欧州選手権の覇者はイタリアでもイングランドでもどちらでも異存はありません。
でも、突然ですが、イングランドはBrexitを決行したから嫌いです。
なので、できればイタリアが勝ったほうが精神衛生上ヨロシイ。
以上
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